ネトゲの友人同士での小説発表ページです。   ジャンルは様々。方向性も様々。   毎週日曜更新です。
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蒼天剣・手本録 3
晴奈の話、22話目。
師匠を酔わせてどうするつもり?

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3.
 クラウンを追い返した、その晩。
 晴奈と柊は勝利を祝って、ささやかな酒宴を開いた。
「さ、師匠」
「ありがと」
 晴奈が柊の杯に酒を注ぎ、柊はそれを飲み干す。
「ふう……。本当に、今日は疲れたわ。……ふふっ」
「師匠?」
 突然笑った柊に、晴奈はけげんな顔をする。
「晴奈、あなた勝負の間中、ずっと顔がこわばっていたわね」
「み、見ていたのですか?」
 晴奈はあの緊迫した勝負の中、師匠に自分を見る余裕があったのかと驚いた。
「そんなに不安だった?」
「いえ、そんなことは……。ただ、家元から『師匠は一撃必殺を狙っている』と聞かされたので、いつ、どのように繰り出すのかと、後学のために注視していた次第で」
「ふふ、そうだったの。さすが、家元ね」
 柊はもう一度、一息に酒を飲み干す。ぐいぐいと呑んでいたためか、その顔は少しとろんとしている。
「……晴奈、あなたもどう?」
 柊は晴奈に杯を渡し、酒に手を伸ばす。
「え? あ、いや、私は、その……」
「あら? 呑んでみたくないの?」
 そう言われれば、美味しそうに酒を呑む師匠に多少触発されてはいるので、呑んでみたくはある。
「……少しだけ、なら」
 晴奈は少し恥ずかしそうに、杯を差し出した。
「うふふふ……」
 どうやら柊は、大分酔っているらしかった。

 師匠に付き合ううち、晴奈も大分酔ってしまった。
「ふわ、あ……」
 思わず、大あくびが出てしまう。柊の方を見ると、すでに眠り込んでいる。
(いけない、いけない。風邪を、引いてしまう)
 ふらりと立ち上がり、食膳や酒瓶を片付け、床の用意をする。
「うにゃ……、せえな?」
 柊も目を覚まし、晴奈に声をかけてきた。
「師匠、今床を整えておりますので、そちらでお休みください」
「んー、ありがと。……ごめん、おみずもってきてちょうらい」
「あ、はい」
 近くの井戸から水を汲んできて、椀に注いで柊に手渡す。
「ありがと。……ふふ、わたし、おさけすきなんらけろ、よあいのよ」
「そのよう、ですね」
「せえな、あんまいよっれないろれ。うらやあしいなぁ」
 呂律が回っていないので、何と言っているのか今ひとつ、理解はできなかったが、言わんとすることは何となく分かる。
「いえ、そんなことは。
 さあ、床のご用意ができました。今日はもう、お休みください」
「ん、ありがと。せえなも、もうねる?」
「あ、はい」
 晴奈がそう答えると、柊は晴奈の手を取り、引っ張った。
「いっしょにねよ?」
「……師匠?」



 晴奈と柊は普段、別々の部屋で寝ている。だからこんな風に、二人揃って枕を並べることは無いのだが、師匠の誘いでもあるし、酔い方もひどかったので、晴奈は放っておけなかった。だからその日は、同じ部屋で眠ることにした。
「ふー……、よこになると、ちょっとらくね」
 まだ呂律は怪しいが、先ほどよりは平静を取り戻したようだ。
「んー……。そっか、はじめてよね。こうやってふたりでねるのって」
「そう、ですね」
「こんなによっぱらったのも、なんねんぶりかなー」
「少なくとも、私がこちらに着てからは、初めてお見かけします」
「そっかー」
 しばらく、間が空く。眠ったのかと晴奈が思った途端、また声がかけられる。
「ねえ、せいな」
「はい」
「こんどさ、ちょっとだけ、とおでしてみない?」
「遠出?」
「そ、ひとつきか、ふたつきか、それくらい。みじかく、たびしない?」
「いいですね。是非、お願いします」
「ん……」
 また、静かになった。
 今度は完璧に眠ったらしい。すうすうと言う寝息が聞こえてきた。
憂い
杏桜組に新人入りました。

哀川さんの小説です。
ジャンルは……何になるのかな?


蒼天剣・手本録 2
晴奈の話、21話目。
ヤな奴、登場。


北狼立つ 6
風赤虎さんの小説。
コレまでで一番、中華武侠ものっぽいイメージ。


蒼天剣・手本録 1
晴奈の話、20話目。
不機嫌な師匠。



体裁について変更。
これまで小説の内容は、最初から追記に納めていました。
しかし、もっと多くの人に読んでもらえるよう、
最新の話だけ、本文に掲載することにしました。


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